転職で不利になるもの
臨床経験が少ない看護師は転職で不利になる可能性が高いです。その理由を見ていきましょう。
臨床経験とは
まず、臨床経験とは何かを理解しましょう。患者が処置や治療を受ける場所のことを臨床といいます。病棟や手術室、集中治療室だけでなく、外来勤務で採血や注射などの業務を行っていた場合も、臨床経験に含まれます。そのため、医療機関で働いた経験のある看護師は、基本的に「臨床経験あり」といえるでしょう。逆に、臨床経験のない看護師というのは、資格はあるものの実務経験がない人を指します。
なぜ不利なのか
資格を取得して間もない新人看護師は、当然ながら臨床経験がありません。就職して実務を重ねながら臨床経験を積み、看護師としての価値を高めていくことになります。そのため、新人を募集していない職場は、臨床経験が少ない看護師が転職する際は不利になる可能性が高いです。
また、人材を募集している医療機関の多くは、可能な限り長期的に働いてほしいと考えています。臨床経験をほとんど積まないまま転職する場合、「同じように早期離職されてしまうのではないか」という疑問が生じ、採用される確率が下がります。
大きなデメリットになる可能性
臨床経験が少ないと、応募できる求人が限られてきます。即戦力を求めている職場の場合、そもそも採用条件として「臨床経験3年以上」などと定めているケースも少なくありません。そうなれば当然、臨床経験が少ない看護師は応募することすらできません。
また、転職するためにはいくつかの選考を通過する必要があります。その際、最初に行われるのが書類選考です。書類選考の時点では、採用担当者は記載されているデータのみで人材を判断します。そのため、どれだけの事情や熱意があっても、臨床経験が少ないという点のみで判断されてしまうかもしれません。採用担当者が読んで納得できる転職理由を書くのはもちろんですが、その後の面接における対策も必要となるので、結果的に他の転職者よりも選考通過率が下がってしまうリスクがあります。
さらに、奨学金を借りている場合は一括返済を求められる可能性があります。働きながら奨学金を毎月返済している場合、契約条件によっては退職の際に一括返済が必要になるケースも少なくありません。そのため、臨床経験が少ない看護師が転職する場合は、どのような条件で奨学金を借りているのかを必ず確認する必要があります。完済していない状態で退職した場合、どういった対応が必要になるのかを調べて、その上で転職をするかどうかの判断をしてください。