臨床経験のカウントについて

臨床経験のカウントについて

履歴書などに記載が必要な臨床経験のカウントについて、詳しく説明します。

状況によって定義は異なる

中途採用の場合、異なる業界への転職ではない限りこれまでの経験やスキルが加味されます。新卒と同じ待遇での転職となるケースは少ないでしょう。これは、看護師に限った話ではなくどの業界でも同じです。その上で、臨床経験の年数については、これまでに勤めてきた病院や施設、分野などによって定義が異なります。看護師として働いてきた年数に加え、「病院か介護施設か」「常勤かパート・アルバイトか」などが影響します。看護師が活躍できる場は多岐に渡っているので、転職先で求められるスキルも分野によって変わってくるでしょう。例えば、病棟に転職する場合、現職がクリニックや介護施設だと臨床経験としてカウントされない可能性があります。同じ看護師であっても、これまでと異なる分野へ転職する場合は、必ずしも勤続年数が臨床経験とイコールになるわけではないことを理解しておきましょう。

単純な勤続年数だけでは評価されない

日本看護業界が2012年に実施した調査によると、採用側が中途採用する看護師の経験年数に対する評価について、実際にこれまでの経験年数をすべて評価すると回答した施設は46.0%しかありませんでした。10年以上前のデータではありますが、これまでの看護師としての勤続年数が十分に評価されていない実態があることが判明しています。そのため、臨床経験については「同じ分野かどうか」などが重視されることを理解した上で転職活動に臨む必要があります。

どのように評価されるかが重要

上記では全体的な傾向について述べましたが、看護師としての経験がどのようにカウントされるかは、職場によって異なるケースも少なくありません。例えば、病棟に勤務していた看護師が健診・検診センターに転職する場合、これまでの勤続年数をすべて臨床経験としてカウントしてもらえる可能性が高いです。一方、これまで介護施設で勤務していた看護師が急性期病棟に転職する場合、臨床経験としてはカウントされないかもしれません。
そのため、転職する際はあらかじめ転職先が臨床経験についてどのように捉えているのかを確認しておきましょう。自分だけで調べられる情報には限界があるので、転職エージェントの担当者に相談するのがおすすめです。転職エージェントは求人を出している医療機関とのつながりがあります。どういった人材を求めているのかを理解しているので、自分のこれまでの経験が評価される職場かどうかを聞いてみてください。臨床経験が少ないからこそ、評価基準については細かく調べておきましょう。